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  • t.takasaki

スナップ写真におけるアングルへの意識。

半年ほど前のブログでアングル=被写体に対峙する角度の話について触れた。

(2021年6月29日「時には玄人目線を捨てて写真に向き合う」)


広告カメラマン、とりわけStilllifeを主に活動していると、アングルには神経質になる。


そのためかスナップ撮影している時も自然とカメラ位置には気を使う。

色や露出は撮った後に変えられるが、アングルとピントは撮る時に決めるしかない。


先日、公園を散歩している時に撮影会をしている写真愛好家の集団がいて、その様子を眺めていたのだが「みんな適当に撮ってるなあ。」と感じた。

もちろん、気持ちの赴くままに撮ることで構わない。そして撮影会には「仲間と楽しむ」というのも参加する理由の一つだろう。

でも「どうしたらもっと写真が上手くなるの?」と考えるなら、カメラを構える位置を今まで以上に細やかに意識するといいと思う。



これは僕が通勤中に撮ったスナップ。



綺麗な空だな。と思って歩いていたところに歩道橋が目の前に現れたのでシャッターを切ろうと思った。

いつも利用しているこの歩道橋はブルーのペンキが剥げていて昭和感たっぷりなレトロな風情なのだが、逆光でディティールが削ぎ落とされて近代的(未来的)に見えたのだ。


「撮ろう」と思ってから、その周囲を数歩移動したり、しゃがんだりしてアングルを探して数分かけて撮った。


ちなみに数歩動くとどんな写真になるのか。




実は、撮ろうと意識した瞬間はこう見えていた。

だけど背景のビルが自分のイメージには邪魔だと感じた。

そこで奥の建物が歩道橋に隠れるようにさらに数歩移動したのが下の写真。




まだ奥の建造物が見えているし避雷針が歩道橋の輪郭から突き出している。

そこでさらに移動して撮ったのが、最初の1枚というわけ。


避雷針だけが見えていたが、横にわずかに動いて柵の縦のラインに上手く隠すことができて、スッキリした画面構成になった。



「いや、2枚目の写真の方が私は好きだ。」

そんな意見もあるだろう。


「スナップなので作為的なことはせずに、無意識に自然体で撮りたい。」

そうした姿勢も時には大事である。


重要なのは「自分が伝えたいために最適な構図、仕上がりになっているか?」ということ。


アングルによって変化する画面構成を普段から意識して撮り続けていくことで、一瞬しかないシャッターチャンスに出会った時、秀でた作品が生まれるようになっていく。




アングル=「ものを写す角度」だが、比喩的に「観点」という解釈もある。


自分の想いのままに撮る。から

自分の想いが伝わるように撮る。へ意識が向けば、あなたの写真は大き変わるかもしれない。


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