トレペ1枚分の雲。
- t.takasaki
- 4 日前
- 読了時間: 3分
富山講座のために車を北へ走らせ、日本海が見えてきた頃。
目前に広がる空を見ながら、私は一人でつぶやいていた。
「50gトレペ1枚分。」
この光を再現するなら、、という意味だ。そしてトレペとライトの距離を頭の中でイメージする。

スタジオ撮影では、まず「場所・季節・時間」を決める
スタジオで撮影するとき、私はいつも考える。ここはどこで、どの季節で、何時頃なのか。
たとえば、「ここはニューヨーク。ランチ後の短い休憩時間、オフィスの窓辺で。」とか、「南国のリゾートだけれど、バリ島のような素朴な田舎ではなく、ホノルルのように整備された都会的な海辺。」のように。
ライトは太陽、ディフューザーは雲である
もちろん天候も意識する。ライトは太陽であり、雲はディフューザーだ。
冬の富山は日照率が低く、どんよりした日が多い。けれど言い換えれば様々な光の強弱を味わうことができる。
私が好きなのは、「花曇り」と呼ばれる光。太陽の芯は見えるけれど、空全体に薄い雲がかかっている状態だ。
花曇りの光が、肌や花をやわらかく見せる理由
普段から光を意識して意識して空を見ていても、アトリエで過ごす時間が長い私にとっては、年に二度くらいしか出会えない光である。この光は、芯のある光でありながら、被写体をやわらかく包み込む。
私の個人的な好みだけではなく、一般的にも女性の肌や花を撮るのに向いていると言われている。(もちろんテーマや状況といった文脈によって変わるので、一概に決めつけることはできないが。)
トレーシングペーパーと距離で光の質は変わる
初めて写真を学びに私のアトリエを訪れた方は、たいてい驚かれる。いわゆるバンクボックス的なディフューザーが一つもないからだ。その代わり、厚さや素材の異なるディフューザーが数種類スタンバイしてある。
当然、ディフューザーとライトの距離が重要だし、それに加えてトレーシングペーパーに数カ所穴を開けて使うこともある。
つまり、アートであれコマーシャルであれ、人工光源でライティングするときには、文脈に合わせてディフューザー、つまり「雲」を選んでいるのだ。

高価な機材より先に、空の光を観察する習慣を持つ
写真を本格的に始めたいと思うと、まず高額な機材を揃えようと考える方が多い。けれどその前に、「今日の空をスタジオで再現するとしたら、どんなセッティングが必要だろうか?」そんなことを考える習慣を、身につけてほしいと思う。
写真を本格的に学びたい方へ
Abox Photo Academyでは、機材の使い方だけでなく、光をどう見るか、どう設計するかまで含めて学べます。




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