写真家の武器は、機材ではなく「ポートフォリオ」だ。
- t.takasaki
- 1月31日
- 読了時間: 5分
――PDF/紙/タブレットの使い分けと、“編集”という仕事
写真を撮る人にとっての武器とは何だろうか。
多くの人はカメラや照明機材と答えるかもしれないが、私にとっての武器はポートフォリオ(作品のブック)だ。
aboxにはプロカメラマンを目指すためのコマーシャル講座があり、アドバンストコースではポートフォリオ制作を軸にしたカリキュラムを組んでいる。
この理由はとてもシンプルで、「仕事につながるかどうか」は、最終的にポートフォリオで判断される場面が圧倒的に多いからだ。
機材の前に、編集の骨格を作りたい方へ
もしあなたが今、
写真は上達しているのに、次の一手が見えない
“いい写真”は増えたが、“作品”になっていない気がする
見せ方が定まらず、自信を持って人に出せない
そんな感覚があるなら、まずは ポートフォリオの骨格から整えるのが最短です。入口講座(写真愛好家から写真家になるための4つのSTEP)の詳細は、記事末尾にリンクを置いておきます。
ただ、この考え方はコマーシャルフォトに限った話ではない。
アーティスト(写真家)志望の方にとっても、ポートフォリオは活動の方向性や作家性を最も端的に伝える重要なツールだと思っている。
活動を始めるにあたって、まずは機材を買い揃えて……と考える人は多い。
実際、講座の相談でもそのような質問を受けることがよくある。
けれど私は、何よりも先に作品の質を高めること、そしてそれをどう見せるかを考えるべきだと思っている。
タブレットに仕事の作品をありったけ詰め込んで営業をする人を時々見かけるが、ポートフォリオとは、そのカメラマンや写真家が「これからどうなりたいのか」を映し出すものであるべきだろう。
aboxの講座でも、単に「良い写真を並べる」ことではなく、将来やりたい仕事を想定した編集を重視している。
2020年に当ブログでも少しだけポートフォリオについて触れたことがあったが、当然ながら時代とともに形は変わっていく。
当時は紙にプリントしてファイルに収めたものが主流だったが、今ではPDFで作成したポートフォリオも当たり前になった。
講座内でも、紙・PDFそれぞれの特性や使い分けについて具体的に話す機会を設けている。

私は、作品提出を求められた際に最も重要なのはスピード感だと考えている。
「クライアントに提示したいので、メール添付で送ってもらえますか?」と連絡が来たときに、「いつまでに送れば良いですか?」と聞き返した時点で、もう負けだと思っている。
出張先にも持参するPCには、コマーシャルサイドとアーティストサイド、それぞれのPDFポートフォリオを常に入れていて、いつでも対応できるようスタンバイしている。
こうした実体験も含めて伝えられるのが、aboxの講座の強みだろう。
では、プリントのポートフォリオはどうしているかというと、直接クライアントやアートディレクターに会う際に持参するようにしている。
「紙のポートフォリオは久しぶりに見ました」と言われることもあるが、私はまだまだ紙媒体の仕事がしたい。
だからこそ、プリントに耐えうるクオリティの撮影ができることを、直接伝えたいのだ。
また、なるべく見せる相手に合わせてファイルの中身を差し替え、同時に提示しながら話す内容までイメージを膨らませている。
アドバンストコースでは、こうした「誰に・何を・どう見せるか」というプレゼンテーションの設計まで踏み込んで制作を行っている。
一方でPDFのポートフォリオは、新しい作品だけに絞って構成しているという特徴がある。
この更新作業を繰り返すことで、自分の現在地を客観的に把握できるのも大きなメリットだ。
もっとも、これらはあくまで私自身の一例に過ぎない。
クリエイターとして、作家として、それぞれの流儀に合わせてプレゼンテーションをするのだから、ポートフォリオの作り方も人それぞれでいいと思う。
だからこそ、aboxでは「正解を教える」のではなく、一人ひとりに合ったポートフォリオの形を一緒に探っていくことを大切にしている。
ただ、タブレットに入れた膨大な作品群は「打ち合わせのためのツール」として捉えたほうが、私はしっくりくる。
そしてポートフォリオブックには、上手い・綺麗ということ以上に、「これから自分がやりたい仕事」を匂わせる編集が必要だと思っている。
どうしていま、こんなにポートフォリオについて熱く語ったのかというと、冬になるとなぜかポートフォリオ用のファイルやリフィルの店頭在庫が、めっきり減ってしまうからだ。
そういえばプリンタインク(特にライトグレー)もこの時期に品薄になるのは、気のせいだろうか。
冬眠していた動物たちが目覚めるように、私たちクリエイターやアーティストも、春に向けて動き出すのかもしれない。
aboxの講座でも、春に向けてポートフォリオ制作に本腰を入れる受講生が増えてくる。
私もまた自分自身のポートフォリオを見返しながら、2026年の戦略を練ることにしよう。

編集の基準と次の一手を、4回で具体化する
「作品として前に進めたい」
「見せ方を整え、活動の軸を作りたい」
そう思った方は、Abox Photo Academyの入口講座「写真愛好家から写真家になるための4つのSTEP」をご覧ください(詳細・日程・料金・申込みはすべて講座ページにまとめています)。



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