「写真の見方が変わります」——4つのSTEPを終えた受講生が見つけたもの
受講生の声をレポートします
写真は撮れる。
けれど、作品にならない。
何を撮ればよいのか。
なぜ、この被写体に惹かれるのか。
撮り続けた先に、どこへ向かえばよいのか。
写真を続けているからこそ、こうした問いの前で立ち止まることがあります。
Abox Photo Academyの「写真愛好家から写真家になるための4つのSTEP」第一期を終えた受講生に、受講前の悩みと、講座を通して起きた変化を聞きました。
掲載許可をいただいた回答を、今回は匿名で紹介します。
※回答は、意味を変えない範囲で読みやすく整えています。

「うまく撮る」だけでは、進む方向が見えなかった
受講前の悩みとして、3名に共通していたのは、撮影技術だけの問題ではありませんでした。
「写真は好きだが、何を撮ればよいかわからない」
「自分の写真が、作品になっているのかわからない」
「写真を続けているが、成長する方向が見えにくい」
「テーマやコンセプトを、どのように考えればよいかわからない」
写真を撮ることはできる。
きれいな写真や、評価されやすい写真も分かる。
しかし、それが自分の作品と呼べるのか。
SNSで「いいね」がつく写真と、自分が本当に作りたい写真との間に、何か距離がある。その違和感を、うまく言葉にできない状態だったのだと思います。
1枚の良し悪しから、シリーズを考える視点へ
講座で特に印象に残った内容として、全員が挙げたのが、
「なぜ自分が撮るのかを考えること」
でした。
さらに、
「ThemeやMotifなど、作品を分解して考えること」
「写真を1枚ではなく、シリーズとして考えること」
「自分の写真を言葉にすること」
といった回答が続きました。
写真を1枚ずつ評価していると、判断基準は「うまく撮れたか」「美しいか」「人から評価されたか」に寄りやすくなります。しかし、作品は1枚の完成度だけで立ち上がるものではありません。
なぜ自分が作るのか。
何を問いとして扱うのか。
どのようなMotifに、その問いを運ばせるのか。
どのRuleで撮り、どのStyleで見せるのか。
それぞれの要素をつなぎ、複数の写真をシリーズとして構成することで、写真は少しずつ「自分の作品」になっていきます。
ある受講生は、講座で印象に残った気づきを、次のように書いてくれました。
自分のポートフォリオを作るThemeは、最初はバラバラでもよい。そこから見えてくるものがある。美しいだけの写真には、美しさだけが残り、伝わるものが出てこない。生活の中にある問いが、見る人に伝わる。
Themeは、最初から立派な言葉として完成している必要はありません。
自分が何度も撮ってしまうもの。
なぜか気になるもの。
生活の中で引っかかり続けていること。
その断片を並べてみることで、自分でも気づいていなかった問いが、後から姿を現すことがあります。
「なぜ撮るのか」は、正解を決めることではない
受講後の変化として、多く挙げられたのは、
「ただ撮るだけでなく、なぜ撮るのかを考えるようになった」
「なぜ、この被写体に惹かれるのかを考えるようになった」
というものでした。
ここでいう「なぜ」は、撮影する前に明確な答えを用意するという意味ではありません。答えが分からないから撮る。撮りながら考える。写真を並べ、誰かと話し、言葉にすることで、後から自分の理由に気づく。
その往復が作品制作です。
別の受講生は、講座で最も印象に残った考え方を、こう表現しています。
写真家が目指すことは、鑑賞者の行動変容を促すものを提示すること。「問い」があるものを提示すること。オリジナリティには、パーソナルなものが大事だということ。
作品は、鑑賞者に正解を教えるものではありません。しかし、見た人の中に何かを残すことはできる。少し違う角度から世界を見るきっかけを渡すことはできる。
そのためには、借りてきたThemeではなく、自分が生きてきた時間と接続したPersonal Reasonが必要になります。
自然体の自分から始めてよい
作品を作ろうとすると、特別な経験や、強い主張が必要だと思ってしまうことがあります。
しかし、受講生の回答には、もう少し静かな変化も書かれていました。
自分自身が自然体でいいのだと感じ、一歩前に出た感じを受けました。何に興味を持っていても、自分が使える時間と環境の中で、何ができるのかを考えていきたいと思います。
これは、とても大切な気づきです。
作品制作は、誰かのようになることではありません。
使える時間も、住んでいる場所も、身体も、関心も、人によって違います。その違いは制作の制約であると同時に、その人にしか持てないRuleやStyleの入口でもあります。
遠くへ行けなくてもよい。珍しい被写体を探さなくてもよい。
すでに自分の生活の中にあるものを、これまでとは違う視点で見直すことから、作品は始まります。
受講後、写真との関係はどう変わったのか
4回の講座を終えて、受講生からは次のような変化が挙げられました。
「なぜ撮るのか」を考えるようになった
写真をシリーズとしてまとめることを意識するようになった
被写体を、作品のMotifとして見るようになった
自分の写真を言葉で説明しようとするようになった
自分のThemeを、さらに深めたいと思うようになった
展示や発表に向けて進みたいと思うようになった
4つのSTEPだけで、作品が完成するわけではありません。
Themeがすぐに決まるわけでも、急に撮影が上手くなるわけでもありません。
けれど、何を考えればよいのかが分かる。自分が今、どこで止まっているのかが見えてくる。次に試すべきことが、少し具体的になる。
その変化が、作品制作を始めるための足場になります。
ある受講生は、それを次のように表現してくれました。
「作品写真」というものを、ずっと漠然と捉えていました。何をどうしたらよいのか分からなかったのですが、作品を作るための核となる考え方を知り、具体的な足掛かりを得られた気がします。
4つのSTEPをおすすめしたい人
受講生に「どのような人におすすめしたいか」を聞くと、技術を学びたい人だけではないことが分かりました。
「写真で伝えたいことが分からず、何を撮ればよいか悩んでいる人」
「Instagramの『いいね』だけを基準にすることに疑問を持っている人」
「写真をアートとして、もう一歩前に進めたい人」
「期待される仕事だけでなく、自分で納得できる作品を作りたい人」
写真を始めたばかりの人よりも、むしろ、ある程度撮り続けてきた人のほうが、こうした壁にぶつかることがあります。
撮影技術の問題ではないことは分かっている。
けれど、感性やセンスという言葉だけでは、次へ進めない。
4つのSTEPは、その曖昧な場所を、Personal Reason/Theme/Motif/Rule/Styleという要素に分解し、自分の現在地を確認するための入口です。
「迷うくらいなら、体験してしまう」
最後に、受講を迷っている人への言葉を聞きました。
写真の見方が変わります。
短い期間で、宿題もありません。まずは受講してみてください。自分の方向性を見つけられます。
そして、もう一人は、初回の講座を終えた日のことを書いてくれました。
初日の講座が終わったとき、求めていた言葉に出会えたことがうれしくて、横浜の地下街を興奮したまま歩きました。少し大袈裟に言えば、世界の見方が変わるような体験でした。迷うくらいなら、体験してしまうことをおすすめします。
写真の見方が変わるということは、カメラの使い方が変わることだけではありません。
自分が何に反応し、何を問いとして持ち、どのように世界と関わろうとしているのか。
それを、自分の写真から読み取れるようになることです。
答えは講師が渡すものではありません。
すでに撮ってきた写真の中にあるものを、一緒に見つけ、言葉にし、次の一歩へつなげていく。

「写真愛好家から写真家になるための4つのSTEP」は、そのための入口です。
写真を「撮る」から「作品を作る」へ
講座の内容、日程、成果物については、講座ページをご覧ください。




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