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t.takasaki

透過する物の撮影は難しいけれど。


先月のブログで「黒い商品は普通に見えるように撮るだけでも大変」だということに触れた。

そして「難しいものほど、丁寧に光を当てれば美しさを増す。」ということにも。


この場合、「難しい」の意味には様々ある。


「労力的に大変」

「着地点が全くイメージできない」

「機材に限界があって脳内にイメージしているビジュアルに届かない」など。


実はこの「事前に完成図をイメージする」っていうことがライティングには大切で、

人によってそのイメージは違って当たり前。


撮り手によって、最も表現の違いが表れる物体は「透過するもの」だと僕は思う。





化粧品や飲料品のボトルを見ると判りやすいが、まず表面にラベルやロゴが印刷されている。


表面の文字や質感の表現が、まず1つ目の要素。

そして透けた液体の中身の表現が2つ目の要素。


その2つの「組み合わせ」によって表現されるので、個人差が生まれやすい。


昔のラムネの瓶のようにラベルがない商品もある。

でも、その容器がガラス瓶なのか、ペットボトルなのか?

表面の質感や容器の厚みも表現する。それは商品撮影の真髄でもある。


面倒臭そうに思われるかもしれないが、、、

「透過する商品」はライティングを進めていくうちに誰もが面白くなって、のめり込んでいくようだ。


「商品撮影講座」受講生のメンバーの多くが、その「面倒くささ」より「面白さ」が勝っていく様子を、僕は何度も見てきた。





中身の液体はレンズのようになるため、ほんの少しライトを左右に移動しただけで、表現が大きく変化する。


だからいつも以上にスタジオ中を目まぐるしく動き回ることになる。


透過物の撮影の時はみんなヘトヘトになるようだが、誰もが商品撮影の醍醐味に気付いてくれる時間だ。

講座ではプロダクトカットを通じてライティングの基礎を学んだ後、イメージカットに移行するが、自由課題で被写体を自分で決めるときに、大抵の受講生が飲料品や化粧品、香水などを透過物をチョイスするのは、その面白さに気づいたからだろう。



まだまだ、表現の道は険しいけれど、

白いもの、黒いもの、透過するもの。

この3つのライティングの基礎を学んだら、かなり実力がついたと言っていい。


商品撮影講座がスタートして3ヶ月〜半年経つと、その自信が次第に顔に表れてくるのだから面白いものだ。



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