SさんのStillife作品(静物写真)への情熱に注目したのは、僕のyoutubeチャンネル「From the master’s room」の「水面の揺らぎを撮る(第3&4回)」で紹介した作品を、彼が模倣してfacebookに投稿してくださった時に遡る。
時々、写真を真似されてトラブルになるケースはあるけれど、この場合は僕が撮り方を解説して公開しているわけだし、根底に「静物写真の面白さを広めたい。」っていう気持ちがあったから、僕は心底嬉しかった。よくぞチャレンジしてくださったと。
しかもアップしてくださった作品を見たら、その苦労が手に取るように伝わってくる。
「限られた空間で引きがなかったんだね。」
「焦点距離の短いレンズで商品が歪んじゃったんだね。」と。
本人には想像以上に勉強になったに違いない。僕としては、「してやったり」という感じ。
さらにSさんの投稿には続きがあって、別のお酒のボトルに乗せ替えて撮った作品もあった。
バリエーションのつもりでトライしたのだろうけれど、どうして僕がこの撮り方でこのボトルを選んだのか、きっとそこまで理解を深めてくださったに違いない。
これはチャレンジした者にしか解らないこと。
真似した写真を「作品」と呼ぶことはできない。でも「模倣」は写真に限らず美術を勉強するには一つの手立て。SさんのようにStilllifeの面白さに気づいて、のめり込んでくださる方が、もっと増えたらいいなと思う。
そしてAbox Photo Academyの「StillLife講座(全6回)」もいよいよ7月に最終回を迎える。
被写体への理解、光を考察する経験はStillLifeというジャンルを超えて、風景や人物(動物)、スナップの作品にも活かされるはず。
「この植物は、どうしてこんな形になったのだろう。」
「この人は、どうしていつも怒っているのだろう。」
「どうしてうちの家族は、こんなにガサツなんだろう。」
「何の変哲も無いの部屋なのに、なぜ落ち着くんだろう。」
その観察と考察は文脈を成していき、作品のタイトル、ステートメントへと繋がる。
スティルライフ講座(第2期)は、2020年秋に開講予定。
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