• Abox Photo Academy

写真が上手くなるには良く観ろというが・・・

更新日:2020年10月12日

写真教室 Abox Photo Academy


 

 どの写真教室もそうだが、初心者に対して、良く観てからシャッターを切るように伝える。何に感動して、自分はどう感じているのか言語化してから、それを、映像として表すために画角、シャッター速度、絞り、フレームなどを決めたらカメラに伝える。

そんな方法を繰り返して体と脳とカメラが一体になるようにトレーニングする。


 果たしてそれで、ひとの心に種を蒔くような写真が撮れるのだろうか。

と、考えさせられる書籍にであった。

とあるカフェに常設してある書籍コーナーにおいてあるのだが、最近凄く心惹かれる一冊にであった。タイトルは

センス・オブ・ワンダー

 レイチェル・L. カーソン (著), Rachel L. Carson (原著), 上遠 恵子 (翻訳)




 もうずいぶん前に発行された本なのに、いまだに読まれている。Amazonの評価もとても高い。挿絵となっている写真もとてもいい。海洋科学者が甥と一緒に過ごす、自然の中に身を置くときに感じる感覚をとてもうまい文章で伝えている。

禅の思想にもちかく、とても感動して、何度も読み返した。(優しい文書で薄いので時間がかからない)


嵐の海岸で、波が砕ける音や風を感じるとき

秋の森で沢山の虫が鳴いている空間で虫を探すとき

満月の夜に渡り鳥を探しながら待って宇宙を感じるとき


 これらを言葉にしてカメラに何か伝わるだろうか。

知識は感性を封じ込めてしまう。何かを知っていると、「ああそれは、あれだね。hogehogeという学者が発見した、XXXという花で、秋に咲くんだよ」とか「その岩は、花崗岩といって火山活動のときにできて、いまから、XXX年前にできて・・・」とか「モナリザの絵画はレオナルドダビンチが書いた絵画でモデルはリザ・デル・ジョコンドで1500年ころの制作で・・」とか知っているとその事象に遭遇したときに左脳と言語野が先に脳を支配してしまう。

 

 それよりも、言語野を休めて、デフォルトネットワークモードにして、全身の感覚を使って感じ、心が震える状態になったときにそっとシャッターを切ったら、どんな写真が写るのだろうか。それは言葉で説明できないような深淵で静謐なものが写るのではないだろうか。



 いちど、このアプローチをWorkshopでやってみたいと思う。

いつも、哲学的思考が先行し、徹底的に調査し、撮る絵はもう出来上がっている状態で撮影に臨んでいる。もちろん、撮影には人知をこえる揺らぎが入り込むのだが、だれが最初にそのアイディアやったのかを競争するのも知的な刺激をとても得るが、ヨガマットもしくは、小さな折り畳みの椅子に座って瞑想をしながら撮影会の企画をしたらいったい何人集まってくるのか興味があるところだ。