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t.takasaki

フォトアクセサリーフェア 2023で感じたこと

ここ1年で自分の身辺に色々なことが起こり、さらに広告撮影、教育業ともに忙しかったため、久しぶりのブログの更新となる。

もう一つ久し振りなこととしては、4年ぶりに写真用品の展示会でセミナーの講師を引き受けた。今回、僕が講演したのは「初心者にもわかりやすい商品撮影の基礎知識」と、機材メーカーとタイアップした商品撮影講座 実演の2コマ。こうした機材ショーでは通常、モデル撮影体験会や人気写真家によるセミナーが華やかで、商品撮影のセミナー会場は地味な印象だったのだが、今年は自分のセミナーに立ち見が出るほど盛況だったのは驚いた。特筆したいのは質疑応答の質と量。受講してくださった方々から実際に商品撮影でご苦労なさったことが窺える質問が多く寄せられた。

講師業を初めて10年以上が経つが、今までは

「三脚はあったほうがいいのか?」

「照明は何灯買えば良いのか?」

「どこのメーカーの機材がオススメ?」といった、機材そのものに関心が集まったのに対して、

1)「透明な袋に入った商品のハイライトはどう処理すればいいのか?」

2)「トップライトの位置は被写体の真上でいいのか?」

3)「照明機材が1灯壊れたときに1灯削るとしたら、どの役割のライトを妥協するか?」

といった技術的な質問が寄せられ、あっという間に時間が過ぎた。



正直、僕は「機材は堅牢でシンプルなものがベスト」と考えているので、こうした機材の展示会で、新しくて便利さばかりを追い求めるコンシュマーからの質問にはずっと辟易していた。

(そもそもこういう場での講演は自分に向かないのだろう。)


地味で面倒というイメージが強い商品撮影だが、こうして熱意のある方々が受講してくださった背景には、ネットで商品を販売することが身近になり、自分で撮影することが増えたこと。機材の進化で「写ること」自体が簡単になったため、「売れるための写真」をプロカメラマンが真剣に研究し始めてきたこと。があるのだろう。

実際、Abox Photo Academy のコマーシャルフォト講座受講生の中にも、自作する商品をネット販売するにあたり、掲載する商品写真の質を高める狙いで通っているメンバーもいる。


Aboxにはこうした広告向けの商品撮影を指導する「コマーシャルフォト講座」と、作品制作のための撮影技術を静物写真でレクチャーする「スティルライフ講座」があり、どちらも11月開講となっているのでご興味ある方はお気軽にご連絡を。


話を戻すが、先の質問に対しての答えを簡潔に書くと、

1)「商品名が読みづらくならない位置にハイライトを入れる。可能なら綺麗な袋やラベルをクライアントに手配してもらい自分で詰め直すつもりで。」

2)「商品撮影の場合は被写体よりも少しカメラ寄りに。」

3)「撮影の経験が豊富なら背景用のライトを省略、自信がなければサイドとトップを1灯で併用してでも背景用のライトは残す。」

と回答した。


その真意はここでは書ききれないので、本気でライティングを学びたい方は、やはりAbox Photo Academyにご連絡いただくのが近道かもしれない。


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