富山市ガラス美術館で開催されているオーストラリアの作家、カースティ・レイの個展について紹介する。
かなり大規模に作品が展示されており、作家キャリアの軌跡がうかがえる。始めてガラスの作品に出会って、自分も作家として制作を始めようとしたきっかけや、修業時代~現在にいたるまでの展示空間となった。
彼女の創作活動に関わる経験やバックグランドから制作される作品には
彼女という人間性が貫くコンセプトとなっている。
とりわけ、オーストラリアの自然から受け取る感覚を中心にしている。
そして、ガラスという物質で表現する技法が極めて高いレベルで加わる。
それは、我々が日本のガラス工芸という作品群に対して持つ固定概念を見事に壊してくれる。日本では概ねガラス工芸品は、器として提示されるが、彼女の作品は写真の様である。
展示スペースは十分に間隔をとり、作品が空間をしっかりと構築している
展示には作家が記述するステートメント、以外にキュレーターが作品群コンセプトを紹介しているドキュメントがあり、各シリーズの空間に入るとその切り替えをナビゲートしてくれ、切り替えの際の思考の広がりが心地よい。
富山市はガラス作家の支援を積極的に行い、国内のガラス作家も多くこの地に集まってきている。富山ガラス造形研究所などがある。
隈研吾の設計した、木材を多用した美術館に、ガラスながら自然を存分に感じることができる作品群がとても良くマッチした展示となっている。
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