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Abox Photo Academy

「スティルライフへの道」はここから始まった。

行きつけの美容院で半年ぶりに髪を切った。「私は幼稚園の時に美容師になるって決めて

たんです。」とMさんとの鏡越しの会話。


自分はどうだっけ?と振り返ってみた。

高校時代、ずっとスポーツに明け暮れてロクに勉強もしなかったくせに家業の写真屋を継

ぐことはイメージできない自分がいた。将来の夢もなく、ただ漠然と過ごしていた日々。


でも、ある特異性には気付いていた。


中学、高校の進級時にオーディオやギター、自転車などを進学祝いに買ってもらうのが当

時の風潮だった。僕が住んでいたところは市街地に近かったので、比較的お店の品揃えは

あった方だと思う。でも、やはり田舎なのでカタログに載っている主要商品のほとんどが

在庫されているような量販店なんてなかった。

僕たちはカタログをお店でもらって、その中から選び、親に相談して決めてからお店で取

り寄せてもらって購入するのが当たり前だった。(ネットなんてなかったですからね。)


どれだけ時間を費やしてカタログを見たことだろう。


そして友達と情報交換しているうちにあることに気付いた。

A君は製品のスペックにやけに詳しい。

B君はあるカタログの見辛いレイアウトに文句ばかり言っていた。

C君は同レベルの他社製品で、どうして売値が違うかずっと悩んでた。


そして僕は、、2社の製品がお店で見ると似たような色、形なのに、どうしてカタログの

写真では違うものに見えるのか不思議だった。


幼稚園の時に美容師になろうと思ったMさんほど早熟ではなかったにしても、結局その時

点で僕の道はスティルライフ(静物写真)へと決まっていたのかもしれない。他の友達が

それぞれの特性を活かした仕事に就いたかどうかは不明だけど、「自分には無い」と思っ

ていた個性に気付かされた瞬間だったことは間違いない。


僕はその後、商品撮影をするために写真を学び、今こうしてたくさんの製品の撮影に関わ

らせてもらっている。



僕の元を弟子たちが何人も巣立っていったけど、彼らを指導しているうちに、光や構図の

捉えた方を文脈立てて教えることが身についてきた。教科書には載っていない、感覚的に

察知して吸収したことさえも。


だから、「写真のこともスティルライフのことも、さっぱり分からない」という貴方にも

大丈夫。

そんな僕が商品(静物)撮影のイロハから、自信を持って世に出せる写真に仕上げるまで

を「商品撮影講座」で伝授します。


そして、真面目な話から四方山話まで写真にまつわることを、この場で語っていこうと思

います。


コーヒーでも飲みながら、気楽にお読みいただければと思います。


商品撮影講座 講師(Abox 塾長) 高崎 勉

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